相続が始まりますと、被相続人のすべての相続した財産と債務は、相続人に包括的に引き継がれた状態になります。
ご相続の手続きについて、確認・検討すべき事項はおよそ以下の10項目です。

1.【相続人の確定】

相続人が誰なのかを法的に確定する必要があります。
このためには。被相続人(故人)の戸籍を原則出生まで遡って取得し確定させます。
特に、故人が生前、例えば転居とともに本籍も異動していた場合などは手間が倍増いたします。
さらに衝撃的なことかもしれませんが、この戸籍収集をしていく中で、認識していなかった人が相続人として発見されるケースもまれにあります。

戸籍の収集は相続手続きを進める上でのはじめの一歩であり、不動産の相続登記や銀行等金融機関の届出で要求されます。
(戸籍の収集の仕方はこちら)
また、法務局で発行する法定相続情報証明一覧図の交付を受ける場合も必須となります。
(法定相続情報証明一覧図についてはこちら)

2.【法定相続分の把握】

次に、相続人の法定相続分を把握します。
故人の残した財産や負債のすべてを単純に相続人間で法定相続割合で承継することで話がついているならよいのですが(実際にはそんなケースはほぼありません)、実際には以下を考慮して遺産の承継を進めることになります。
(法定相続分についてはこちら)

3.【相続欠格事由・廃除】

わかりやすい例ですと、親を殺害してしまった推定相続人は相続欠格事由に該当し、相続人になることはできません。
相続欠格事由は5項目ありますが、基本的には自分に有利になるように被相続人や他の相続人に犯罪的行動をした者が欠格になり、相続人になれません。

例えば、息子が長年家庭内暴力をふるうなどの非行があった場合、その者を相続人にしたくない場合は、廃除という手続きを取ることができます。

4.【相続の放棄・限定承認】

故人は借金が多く相続をできれば放棄したい、あるいは遺産の限りで借金を負担したい場合の手続きです。
(相続放棄についてはこちら)

5.【法定単純承認】

相続人の中に、財産を勝手に処分した上で、借金は相続したくないといって相続放棄しようとしている者がいる。

6.【特別受益・寄与分】

相続人中に故人から遺言で贈与(遺贈)を受けたり結婚時に財産を分けてもらったりした人がいる。
あるいは、故人の遺産の増加に多大な貢献をした相続人がいる等。

7.【相続分の譲渡】

別の相続人に、私の相続分を渡したい。

8.【遺産分割】

母には自宅、子供たちには現金で遺産分けしたい。遺言書の内容と違う遺産分割ができるの?
(遺産分割協議についてはこちら)

9.【遺言】

故人が遺言書を書いていたみたいだけど、法的に効力があるのだろうか?
(遺言書についてはこちら)

10.【遺留分】

故人が財産全部愛人に遺贈してしまった。相続人は何も受け取れないの?

以上のうち、3から10は、具体的事案に則して公平な相続完了のために検討していくものです。
ですので、すべての相続事案に当てはまるものではありません。
しかし、これだけの検討すべき法的事項があります。
相続人間の公平で満足のいく形で安心して相続手続きを進めていくためにも、専門家である司法書士法人Y&Uリーガルに是非ご相談ください。

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