一般的な例です。必ずしも以下の順序でなくても構いませんが、期限のあるものは厳守くださいませ。

<相続開始後7日以内>

死亡届の提出

死亡届は死後7日以内に提出しなければなりません。
死亡届 故人の本籍地または届出人の住所地の市町村役場に死亡診断書とセットで提出
死体火(埋)葬許可申請書は死亡届と同時に提出
もっとも、これらの手続きは依頼した葬儀会社で代行してくれますので、あまり心配しなくても大丈夫でしょう。

初七日法要

遺言書の有無の確認

遺言書があるかどうかは、なるべく早めに確認することをお勧めします。
特に、自筆証書遺言(法務局保管制度を利用した自筆証書遺言を除く。)の保管者又はこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して検認手続きを請求しなければなりません。
検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。
そして、検認手続きは戸籍の収集及び裁判所への申立でおよそ2か月程度を要しますし、遺言書の内容によっては、遺産分割協議が必要なのかどうかなど、以後の遺産承継手続きに大きく影響するからです。
また、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いの上開封しなければならないことになっています。

<14日以内>

世帯主変更届
児童扶養手当認定請求書
住所地の市町村役場へ提出

<49日経過>

四十九日法要

相続人・相続財産・債務の調査の開始

相続人が誰であるかを確定するとともに、大まかな相続財産・債務の調査をします。債務が多い場合は、相続放棄・限定承認を検討します。

相続税申告の要否を確認

相続人の調査、そして相続財産と債務の調査により遺産の概略がつきましたら、相続税の申告が必要かどうか、確認しましょう。
確認の仕方は、遺産額が非課税控除枠の範囲内かどうかです。

非課税控除額=3,000万円+600万円×相続人の数

遺産分割協議の開始

相続財産の分配について相続人全員で協議を開始しましょう。
併せて、相続税の申告と納税が必要な方は、納税の方法、延納・物納等の検討も行っていきましょう。

遺産の名義変更手続 不動産・預貯金等の名義変更手続き(相続税申告不要の場合)

相続財産が非課税控除枠の範囲内であれば、遺産分割協議がまとまり次第、不動産や預貯金等の名義変更手続きを行いましょう。


<3か月以内>

相続放棄・限定承認

相続財産・債務の調査の結果、負債の方が明確に多く、これを相続したくない場合は、家庭裁判所に相続放棄の申立をしましょう。
相続放棄ができるのは、原則として、死亡及び自分が相続人であることを知った日から3か月以内です。この期間内に相続放棄をしなければ、個人が負っていた負債を相続人の方が負担することになりますので、注意が必要です。
限定承認は、負債の方が多そうな状況で、相続財産を超える負債は免除されたいという場合に申立をするもので、相続放棄と同じく家庭裁判所に行います。期限も相続放棄と一緒です。
限定承認は、相続放棄と異なり、相続人全員で申し立てる必要があり、相続財産の清算手続き等家庭裁判所の監督の下行うなど手続きが煩雑なため、利用例が少ないのが実情です。

<4か月以内>

所得税の申告と納付(準確定申告)

故人が毎年確定申告をしていた方などの場合、相続人が代わって確定申告をしなければなりません。
これを「準確定申告」といいます。
準確定申告の場合は、「1月1日~死亡した日までの所得を相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内」に行うことになっています。
準確定申告が必要なケースでは、同時に相続税申告が必要なケースが多いと思います。
生前、確定申告を税理士に依頼されていた方の場合はその税理士が詳しく事情を把握していると思いますし、そのような税理士がいない場合には、この機会に相続に強い税理士に相談されることをお勧めします。

相続財産目録の作成

準確定申告の作業とともに、相続財産目録の作成も始めましょう。
ここでいう相続財産目録とは、相続税の申告のための目録であり、遺産漏れがないか、相続財産評価基準に則して評価をしているかなど、厳密にチェックしていく必要があります

<10か月以内>

相続税の申告

相続税の申告 故人の住所地の税務署へ申告  
相続税の納付 税務署に申告・納付
相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。
※ 現在、『3000万円+600万円×相続人の数』までは相続税がかかりません。例えば、相続人が妻と子ども2人だった場合は4200万円までが控除されるので、遺産総額が4000万円だったとした場合は申告する必要がなくなります。

遺産の名義変更手続き 不動産・動産の名義変更手続き(相続税申告ありの場合)

遺産分割協議が済みましたら、相続税の申告手続きと併せ、不動産の相続登記、株券・預金等の名義の変更手続きをしましょう。

前に戻る

次のページ